本気で農家になりたいと思った4つの理由

僕は現在、会計事務所に勤務する税理士ですが、2017年から農家を目指して勉強をしています。

ではなぜ、僕が農家を目指しているのか、その理由について書いてみました。

理由①:世の中で本当に必要とされる仕事だと思うから

農業は世の中で本当に必要とされる仕事だと思ったからです。

世の中には、たくさんの仕事が存在しています。その中から、どんな職業に就くのかの判断基準の中で最も重視されているのが「年収」ではないかと思います。

僕も、今まで給料が高い仕事こそが、世の中のためになる重要な仕事だとずっと思っていました。しかし、最近になって必ずしもそうではないことに気づきました。

僕が今やっている「税理士」という仕事を例に見てみましょう。

厚生労働省による「賃金構造基本統計調査」によれば、2018年の「公認会計士・税理士」の平均年収は男性914万円、女性804万円とかなり高額です。

しかし、世界的にみると、そもそも「税理士」という資格自体が存在していない国の方が圧倒的に多く、どちらかというと日本の方が珍しい存在です。

日本は税制があまりにも複雑なため、税理士がいなければ適正な申告と納税ができないのが現状です。

したがって、誰にでも税金の計算ができるようなシンプルな税制にすれば、そもそも税理士という職業もなくて済むわけです。

それに引き換え、農業は人間が生きていくために必要な食べ物を生産する仕事です。

ご存じのように、人間の体は食べ物からできています。将来的には、サプリメントだけ食べていれば生きていける時代になるかもしれませんが、それは当分先の事でしょう。

農林水産省の統計によれば、1965年度には73%あった食料自給率(カロリーベースによる試算)は、2018年度の時点で37%と過去最低の数値になっています。

この先もどんどん食料自給率は低下していくものと思われます。

自分の子供や孫、その先の世代の事を考えると、無理やり難しくした税金の計算に努力するよりも、安全で安心して食べることができる食べ物を作ることに努力することの方が、価値があることのように思えるのは僕だけでしょうか?

このような理由から、安心安全な食べ物を生産する農業は、世の中で本当に必要な仕事だと感じています。

理由②:農家はピンピンコロリの人が多いから

僕は、数年前手術を伴う1カ月の入院を経験しました。その時、健康の大切さを身に染みて思い知らされました。

これからの時代、年金制度もどうなるのか分かりませんし、生涯現役でいることの重要性が高まってきていると思います。

それを実現できそうな仕事が「農業」であることを知りました。

実は農家には「ピンピンコロリ」の方が多いんです。

「ピンピンコロリ」とは、病気で寝たきりになることなく、生涯現役で長生きであることを意味しています。早稲田大学の堀口健治名誉教授、弦間正彦教授が2017年2~3月に実施したアンケート調査によると、次のような結果が出ています。

①平均死亡年齢

男性:自営農業者 81.5歳、自営農業者以外 73.3歳

女性:自営農業者 84.1歳、自営農業者以外 82.5歳

②仕事を引退するまでの就労期間

男性:自営農業者 50.8年、自営農業者以外 37.5年

女性:自営農業者 49.1年、自営農業者以外 28.0年

③仕事を引退する年齢

男性:自営農業者 74.2歳、自営農業者以外 64.3歳

女性:自営農業者 72.8歳、自営農業者以外 60.8歳

④引退後の余命

男性:自営農業者の引退後死亡までの期間7.4年、自営農業者以外 9.6年

女性:自営農業者の引退後死亡までの期間11.0年、自営農業者以外 19.3年

⑤農業に従事する後期高齢者1人当り医療費は他の後期高齢者のそれの約7割(2010~14年)だった。

本調査より、自営農業者の際立つ寿命の長さは、健康で長期に農業に従事していたことが貢献しているといえます。また、死亡年齢と健康寿命の差である余命は短く、いわゆる「ピンピンコロリ」の特徴が示されています。

早稲田大学HPより引用

健康を維持するために、わざわざスポーツジムへ通ったりしなくても、農業という仕事をしてお金を稼ぎながら、健康を維持できるのはとても合理的だと思いました。

理由③:インターネットによる直接販売が可能になったから

インターネットによる直接販売が可能になったことは重要です。

農業は「儲からない」というイメージがあります。それは、今までの流通経路に問題があると思います。

従来は、農作物を収穫したら

流通経路
農協へ出荷 ⇒ 卸売市場 ⇒ 小売店 ⇒ 最終消費者

という経路が一般的でした。

農協や卸売市場、小売店など多くの業者が間に入ると、当然農家の手取りも少なくなります。

例えば、スーパーで1本100円で販売されている大根の場合、農家の手取りは30円ほどです。そこから、肥料代や栽培にかかる資材などの費用を払うことになるので・・・なかなか儲からないのは無理もないです。

僕は実験的に、栽培した野菜や栽培風景などを「インスタグラム(SNS)」にアップしてみました。

約9カ月ほどの運用で、フォロワーは1,500人以上に増えました。

よく、スーパーなどで「私が作りました」というコメントと共に、生産者の顔写真が貼ってある野菜を見かけることがありますが、本当にその人が作ったものなのか?その人はどういう思いで農業をしているのか?などの情報を得ることができません。

しかし、インスタグラム(SNS)を利用すれば、生産者の農業に対する思いや、日々の栽培状況などスーパーの店頭では知ることができない情報を消費者に直接伝えることが可能です。

また、生産者である農家自身の情報をインターネットで積極的に発信することにより、ただ野菜を買うのではなく、この人が作った野菜が食べたいという具合に、消費者の見方も変わってきます。

いわゆる商品の「差別化」です。

実際に僕の元にも「どうすれば野菜を購入できるのですか?」というダイレクトメールを何通も頂きました。相手は、個人消費者、飲食店、食品小売業などいろいろでした。

今やSNSやホームページを利用することで、誰でも簡単にインターネットで情報発信することができるようになりました。SNSに至ってはスマホさえあれば「無料」で利用できます。

商品やサービスの価格は「需要と供給」で決まります。

もし、たった1個しかない商品を、100人が欲しいと思ったら商品の価格は必ず上がります。

是非「あなたから買いたい!」と思ってくれる「ファン」が増えてくれば、大根を1本200円、300円で販売することも可能だと思います。

理由④:やってて楽しいから

長く続ける仕事であれば、その仕事が楽しいかどうかは非常に重要です。

正直、農業は単調な作業が多いです。トラクターで耕したり、種をまいたり、苗を植えたりなどです。

そして、その単調な作業を日々繰り返し行い、収穫の日を待ちます。比較的成長が早いレタスなどの「葉物」は種まきから約2カ月、玉ネギは種まきから約10カ月近くかかったりと、収穫までの期間も品種によって様々です。

そして、無事に収穫までこぎつけた時の感動は、税理士業にはないものです。

「無」から「有」を生み出すことに、喜びや感動を覚えない人はいないはずです。

また、収穫した野菜を食べた人が「おいしい!」って喜んでくれると、また頑張ろうっていう気になります。

人は人生において膨大な時間を仕事に充てています。その膨大な時間を楽しく過ごせるかどうかは、とても重要なことだと思います。

最後に

日本は、約2600年前の「天孫降臨」以降、ずっと稲作を行うことで国を富ませることに努力してきました。世界で日本製が高く評価されるのも、長い農業の歴史があったからだと言われています。

日本人は、遺伝子レベルで農業の素質があるような気がしています。

格好つける気はありませんが、できることなら世の中で本当に必要とされている仕事で、しかも将来の世代のためになる仕事をしたいというのが僕の気持ちです。

また子供達には、仕事の良し悪しを収入の多い少ないだけで判断して欲しくないので、自らが農業をすることによって、そのことを伝えたいという思いもあったりします。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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