絶体絶命⁉経理の派遣先で体験した前任者不在での決算書作成

こんにちは!タカです(@bookkeepigtaka

私は大学卒業後、一般企業に勤めていましたが、手に職が欲しくて公認会計士の勉強をすべく退社しました。当時の私のスペックは以下のとおりです。

 

私のプロフィール
・30台中盤、独身

・一般的な大学卒業(文系)

・一般企業で営業、経理を経験したのち、退社

・簿記1級、公認会計士短答式試験合格

・公認会計士論文式試験の勉強中

 

A学院との出会い

私は一般企業を退職してから3年ほど公認会計士の勉強に専念しておりました。そのかいもあって短答式試験(1次試験)に合格しました。

しかしながら、勉強を続けるにはお金が必要、、、。というわけで、このまま勉強を続けるためにも、なにかおいしいバイトはないものかと仕事探しをはじめました。

そんな私の目に飛び込んできたのはとある学校法人(ここでは仮に「A学院」とします。)が「仕訳のチェックが出来る人を求む」という派遣の求人を発見しました。

「仕訳のチェックをするだけ?」これはなかなかおいしそうな仕事だと思った私は即座に応募しました。

後日、派遣会社の方と面接に行った私はその場で採用をしていただき、はれてA学院で「仕訳のチェック」という少し不思議な仕事をするようになりました。

「仕訳のチェック」の業務は当初、会議室にこもって伝票と仕訳が合っているかという気楽な業務でした。

「これで時給が発生するなら楽でいいや~!」と思いながら業務をこなしていました。業務をこなすにつれこのA学院の現状が分かってきました、、、。

現状このA学院の経理担当者は1人のみでした。しかも経理知識の全くない若い女性が日々の現金残高のみをなんとかあわせるのがやっとというのが現状でした。(この経理担当者の女性を仮に「経理子さん」とします。)

経理子さんは、A学院が求人募集していた「経理事務のサポート」に応募し、採用されたとのことでした。

そして、いざ来てみると前任者は存在せず、引継ぎもなく1人のみの経理担当者で、何をしていいのか分からない状態だったそうです。

そんななかで、会計知識を有する私が派遣社員ながらA学院の仕訳のチェックの仕事をはじめたということで、経理子さんは私に様々な質問をするようになりました。

「4月の未払金の意味はなに?」といった基礎的なものから、「この仕訳の意味が分からない」といった前任者が行っていた「独特な会計処理」について2人で解き明かしていきました。

こんな経理子さんからの様々な質問に答えているうちに、経理子さんがしだいに私を慕ってくれていることが感じられました。

それと同時に、経理子さんの状況をみていると「なんとか彼女のチカラになれないものか」と私は思うようになりました。

私と経理子さんとの不思議な関係

「仕訳チェックの」仕事をしていると、そのうち事務局長から「こんな資料作れるか?」という様々なリクエストが来るようになりました。

この事務局長からの資料作りのリクエストは今までの簿記の知識、特に管理会計(工業簿記)の知識を使えばこなせるものでした。

補足
ちなみに、簿記2級で出題される工業簿記は単に製品の原価を求める事が重要ではなく、予算と実績の分析、データを適切に処理するのにはどのようにすればよいのかが問われています。

様々な資料を作りを行ううちに、ただの「仕訳のチェック」からはかけ離れた、様々な仕事をするようになりました。

このような資料作りは「日々の仕訳」が適切に行われていることが前提ですので、経理子さんに経理事務のアドバイスを行うようになりました。

そのうち、様々な勘定科目の整理、資金残高の資料、月次に関する資料を作るようになり、派遣の私がまるで正社員の経理子さんの上司のような存在という不思議な関係ができました。

初めて迎える決算

そんななか、A学院で迎える初めての決算が近づいてきました。

私も以前の会社で決算作業は経験があるものの、それはあくまで作業員としての話であり、今回は私が経理子さんに指示を出さなければならない立場になっており、この立場で迎える決算は初めてでした。

なにより一番の問題は「固定資産」でした。

固定資産台帳は過去5年間更新されておらず、減価償却の計算についても計算結果のみが帳簿に計上されており、今現在、各固定資産の帳簿価額がまったく分からない状況でした。

ちなみに、この減価償却を計算していたのが、以前に契約を打ち切った会計士でした。

この計算過程が分からない状況で、過去5年間の各固定資産の減価償却を計算し、さらに各勘定科目の中身を精査する必要がありました。

結果的には減価償却の計算については、なんとかあわせることができました。もっともこの計算には3か月ほどかかりましたが、、、。

また通常、会社の経理内容をすべて理解するには何年もかかります。その上で、はじめて全体的な決算作業ができます。

しかしながら、私と経理子さんはそんな悠長なことは許されませんでした。

そこで、会計士の勉強が実務で役立ちました。なにより過去の財務諸表を読み解き、どのような作業が必要になるのかを洗い出すことができました。

このように、困難な作業でしたが、私と経理子さんは会計士と相談しながらも問題点を1つづつつぶしていき、なんとか決算作業を進めていきました。

完成した財務諸表とその充実感

決算作業を進めることはできましたが、問題点はまだあります。

学校法人会計に基づく「特殊な計算書」の存在でした。

このような書類は、公認会計士のテキストに出てくるわけではないので初見の物ばかりでした。

今までの知識や経験を総動員し、過去のデータを参考にすることでなんとか一歩一歩前に進むことができました。

そして、決算日から一ヶ月ほどが過ぎた5月上旬、、、私と経理子さんはなんとか財務諸表を完成させることが出来ました。

完成の瞬間は充実感に満たされたものでした。

財務諸表の完成から得られた充実感はただ、作業が完了したということから得られたものではありません。

今回の決算作業は、私自身が経理子さんに指示を出し、自分で考え行動した結果から得られたものでした。

経理事務はともすれば受け身になりがちですが、それではただの事務作業で面白くありません。

今回の決算作業は経理の本質的な面白さを私に教えてくれました。

今回の作業を機に、今後も経理に携わっていくことを決意しました。

おじ部からのひと言

前任者が不在で、しかも引継ぎが全くされていないなかでの決算書作成は、まさに絶体絶命の状況です!

しかし、簿記1級&公認会計士短答式試験合格という「簿記のスペシャリスト」としての知識と、このまま見捨てられないという「正義感」があったからこそ、この困難な状況を切り抜けることが出来たんだと思います。

タカ(@bookkeepigtaka)さん、素晴らしい体験談をありがとうございました。

タカさんにご興味ある方は、ブログ「Book Keeping for Workers」もチェックしてみて下さい!

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