・5年間経理で働くとどんなスキルが身につく?
経理職で働きたいけど、大手企業にするか中小企業にするかで迷っている方も多いのではないでしょうか?
同じ経理職でも、大企業と中小企業とでは仕事内容は大きく異なります。
この記事では、大企業と中小企業の両方で経理職を体験して私が感じたことをお話させていただきます。
あなたが、大企業の経理に向いているのか?
それとも、中小企業の経理に向いているのか?
を判断する目安になるかと思います。
これから経理職への就職・転職を目指す方はぜひ最後までお読みいただければと思います。
ジャンプできる目次
私のプロフィール
就職活動時の私のプロフィールはこんな感じです。
・年齢:20歳(男)
・学歴:専門学校卒(簿記系)
・保有資格:日商簿記2級、FP技能検定2級、電卓検定2段、日本漢字検定2級
・大阪近郊での就職を希望
私が経理職を選んだ理由は次のとおりです。
・学生の頃から「数字が大好き」だったこと
・人付き合いが苦手で、経理職は人との関りが少ないだろうと考えていたこと
新卒で大企業の経理職、そして転職…
新卒で就職した企業は、それなりに規模の大きい企業でした。
・年間売上高:約1,200億円
・従業員数:約1,500人
経理部は私を含め「11人」在籍しており、細かく担当が分かれていました。
業務は「財務会計」と「税務会計」とに分かれており、
「財務会計」は現金・売掛金・買掛金・預金関係等、担当者が分かれており
「税務会計」は子会社が10数社あったので、複数人で数社ずつ担当し、子会社の月次決算・年次決算を確定させ、最終的に税務申告までをするというのが主な業務です。
私はまだ新人だったので、現金や伝票・領収書の整理等、言ってしまえば雑用がメインでした。
現金に関しては、お金の大切さを実感するため、新入社員が担当になる企業が多いと思います。
そういった業務をこなしながらも、結果的に私は2年で転職する事を決めました。
転職に至るまでの経緯ですが主な理由は2つあります。
転職理由①:色々な業務を経験したかった
売掛金、買掛金、支払手形、受取手形など簿記で学んだことを多く活かしたかったのですが、なかなか出来ない環境でした。
企業の規模にもよると思いますが、経営に密接に関係してくる業務は新卒だとなかなか担当させてもらうのは難しいです。
数年経ってから徐々に経験していくというのが一般的です。
当時の私はそれが分からなかった事もあり、早々に転職を考えるようになりました。
転職理由②:企業の全体像が見えにくかった
業務が1人1人細かく分担されているので、誰が何の業務をしているのか把握することが難しい環境でした。
また、企業の規模もそれなりに大きかったため、私は企業の一部分しか見る事が出来ませんでした。
ですので、貸借対照表や損益計算書を見ても、なぜこの数字になるのか理由が全く理解できません・・・。
「中小企業だと、もっと全体像が見えやすくなるのでは」と思い、転職を考えるようになりました。
転職エージェントを利用して転職活動
「中小企業で幅広い業務を経験したい」・「企業の全体像が見えるようになりたい」という考えで転職活動を始めました。
転職活動の際には、大手転職エージェントの「リクルートエージェント」を利用しました。
利用してみた感想は、求人数は多いですし、サポートもしっかりやってくれます。
ただ、紹介して頂いた企業の中には俗に言うブラック企業もありましたので、自分で調べる事も大切だと感じます。
転職先企業は面接時に、「経理の人数も2人で人手が足りていない」との事だったので、「色々な業務ができるかもしれない」と思い、この企業に転職する事を決めました。
・年間売上高:約100億円
・従業員数:約300人
・経理部の人数:3人
中小企業の経理で感じたこと
中小企業に転職してみて、結果としては今まで出来なかった業務など色々な担当を任されました。
しかし、想像した以上にカバーする業務範囲が広く、途中で何度も投げ出しそうになりました。
売掛金・受取手形・固定資産台帳の管理・銀行便・いくつかの営業所の担当等やる業務が一気に増えた事もあり、ついていくだけでも大変で辛かったです。
けれど、1つ1つの業務をこなす度に、強い達成感を味わう事が出来ました。
仕事にも慣れてきた頃には、自分自身の成長を実感する事が出来たのです。
人数が少ない事もあってか、経理としての全体像も見えてくるようになり、次第に会社の全体像も見えてきて、決算書を見た際に、数字に納得する事が出来た時の感動は今でも忘れません。
ただ、給与などの条件面は1社目の方が良かったので、「残りつづけていればどうなっていただろう」と考えてしまう事もあります・・・。
経理職を経験することで得たスキル
経理を5年経験して得たものはたくさんあります。
いくつか挙げますと、
① :数字に強くなった
経理は一日中数字を見ていることも多いです。
自然に数字に対する記憶力、暗記力が良くなっていきます。計算する回数も多いので、計算力も各段に上がりました。
② :整理整頓・キッチリさが身につく
経理という仕事は細かいところまでキッチリしないとダメな部分や、1円の大切さを実感できる職種です。
更に、機密保持と言って安易に情報を漏洩したりする事が出来ません。
それに伴い、
①:資料を見られないように、適正な場所に保管しておく
②:手形や重要な書類を無くさないように、デスクには必要最低限なものだけ出しておく
③:すぐに取り出せるように、直した資料や事務用品の場所を覚えておく
といった事が自然に出来るようになりました。
③ :コミュニケーション能力が身につく
冒頭でも言ったように、人とあまり関わらないといったイメージを経理には持っていたのですが、
実際は全然違いました。
同じ部署はもちろんの事、他部署や営業所、電話対応など様々な人と多く関わります。
なので、コミュニケーションが苦手でも、勝手にコミュニケーション能力が身につきます。
また、企業の財務的な数字を知っているという事もあり、言葉を選んで話す場面もあるので、その会話に合った適切な言葉を選べるようにもなりました。
経理職に興味がある方、転職を考えている方へ
経理という職種は、日商簿記2・3級を持っていないと応募すら出来ない企業も多いです。
また、中途採用では実務経験者が圧倒的に有利です。
経理の経験がない状態で転職するのは、実情難しいのが現実です。
理由は、すべての企業が「企業会計原則」という法律に従って決算書を作成しており、全て「簿記」がベースになっていることにあります。
処理方法や勘定科目の使い方に多少の違いはありますが、「簿記」を使っている限り企業ごとに大きな違いはありません。
このような理由から、少しでも経理職としての実務経験があると、どの企業でもすぐにその経験や知識を活かせるので転職活動で有利になるのです。
しかし、未経験で経理に転職できた方もたくさんいます!
「未経験=経理職に就職できない」という考えは絶対ではありません。
未経験だからと言って諦めないで、就職・転職活動にチャレンジして頂ければと思います。
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
おじ部からの一言
中小企業の経理は、大企業の経理に比べて
・カバーする業務範囲が広い
・給料は少なく残業も多目
という傾向は有りますが、企業全体の数字を把握でき、「縁の下の力持ち」として貢献しているという実感を得られることは大きなメリットですね!
貴重な体験談をありがとうございました。
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