「経理職」は営業職のように外出も少なく、閉鎖された空間で仕事をすることが多い職種です。
一度、パワハラやイジメが起こると、逃げ場も無く「地獄」と化します。
私は経理職で遭遇したパワハラが原因で体調を崩し、その結果その会社を退職することになってしまいました・・・。
この記事では、私が病気になり退職に至った原因である、パワハラ上司に関する体験談をお話します。
私は30代男性。
パワハラをしてきたのは「60代男性の上司(以下、「上司A」とします)」です。
当時勤務していた会社概要は以下のとおりです。
・製造業、某大企業の子会社
・年間売上高50億円
・従業員数約100人
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①:仕事の進捗状況を聞くフリをして圧をかける
私は入社した当初から、その上司Aから仕事を教わらなければならない立場でした。
上司Aは、やたらと「できた?」「もうできた?」と聞いてくる人でした。
「わざとそんな風に聞くの?」と思うぐらいです。
「きっと、この仕事を急いでいるんだな。」そう思って、私はできる限り頑張っていました。
最初の頃は、素直にがんばっていたんですが、ある時気がつきました。
この仕事をそこまで急ぐ必要は、ないのではないか、と。
その理由として、上司Aはそんな時でものんびりと新聞を読んでいる頻度が高かったからです。
しかも、私が少しずつ仕事を覚えていくにつれて、分かったことがありました。
どうやら上司Aは、他部署の人たちに対して、ポーズをとりたがっているようなのでした。
他部署から経理資料の依頼があった時、すぐにパッと資料を出すことで、自分の威厳を保ちたかったのです。
仕事の完成を急いでいたのは、会社のためというよりは、自分の威厳のためだったのです。
経理部の長である自分のプライドを守りたいがため、というのが大きかったように思います。
そんなことのために私は、「できた?」「もうできた?」と仕事の完成を焦らされていたのです。
そして、「まだできていません」と言うと、嫌がらせが始まりました。
「次はあの仕事もしないといけないぞ!」
「その仕事が遅れたら、社長に迷惑がかかるし、会社全体にも迷惑がかかるぞ!」
そんな風に、一つの仕事に対して、必要以上にプレッシャーをかけ、人を不安にさせる上司なのでした。
もう、地獄でした!
仕事のスピードが上がるようになってから、私は対策を講じました。
それは、上司Aから「できた?」と聞かれた時、もし仕事ができていても、「できていません」ということです。
そうすれば、必要以上の圧をかけられても、本当はできているので、圧にはなりません。
まあそれでも、圧をかけてくる、という嫌がらせは、パワハラ以外の何物でもありませんでしたけど・・・。
②:コロナ禍にあっても遠方の実地棚卸を要求された
新型コロナウイルスの感染拡大で、「遠方への外出は控えた方がいい」という空気が世間を取り巻いている状況下で事件は起きました。
うち会社では年に数回、定期的に取引先への実地棚卸をしていました。
ただ、取引先から書面で検査証明書をもらう方法もありました。
時々は実地棚卸をしたほうがよい、という親会社からのお達しがあることは知っていました。
上司Aは、他部署や親会社からの評価をすごく気にする人でした。
親会社が監査に来た時に、「うちは実地棚卸もやっている」と、上司Aは堂々と言いたいということです。
そしていつの間にか、「時々は実地棚卸をしたほうがよい」という理解が、「年に数回は必ず取引先へ実地棚卸に行け!」に変わってしまいました。
当然、実地棚卸に行くのは上司Aではなく担当者の私です。
部下がコロナにかかろうが、世間の空気がどうであろうが「そんなことは関係ない」、ということなのでしょう。
考えただけで、鼻血が出そうなくらい腹の立つ話です。
結果的に、私は遠方まで車で実地棚卸に行きました・・・。
なぜそんな無茶を受け入れたのか、と思うかもしれません。
その上司A、あまり反論すると「もういい!君には何も教えない!」というような人なのです。
そうやって会社を辞めていった人が、過去に何人かいたということを聞き知っていました。
もう、恐怖政治でしたね(笑)
ちなみに、上司Aから「お疲れ様」も言ってもらえませんでした。
ホントに辛い経験でした・・・。
③:わからないことを聞くと嫌味を言われ、怒鳴られる
「わからないことは聞いてきてほしいんだよね」
上司Aは、機嫌のいい時は、そんな風に調子のいいことを言いました。
ですが、虫の居所が悪い時は、最悪です。
本当にわからないところを聞こうものなら、嫌味と罵声を浴びることになりました。
たとえばこんな風です。
「ちゃんと自分で調べた?」(嫌味ったらしく)
「わかりませ~ん、できませ~んって、また聞くんか」(人を馬鹿にしたような顔と口調で)
「あれは見た?これは見た?確認した?」(強い語気で)
さらに、原因が私自身のミスだと分かった時には、
「そんなことか、がっかりしたわ」と言われました。
本当にひどいパワハラでした。
毎月、月次決算のたびにそんなやり取りをしないといけないと思うと、本当に憂鬱でした。
どの職種であれ、こういったことはあるでしょうが、特に経理は、数字の失敗ができないですよね。
わからない数字について、勝手に判断して進めることができないわけです。
自己判断できないのであれば、上司の判断をあおぐしか方法はないです。
でも、わからないから聞くと、聞いている自分が罪人なのかと思えてしまうほど責められるのです。
そうなってくると、もう上司に聞くのも嫌になりますよね。
完全にパワハラです。
上司という力を利用しているとしか思えませんでした。
そんな生活が長く続いた結果、私は体調を崩してしまいました・・・。
最後に
当時の私は、パワハラを受けている現状をなんとか打開したいと思っていました。
他部署の人に愚痴を聞いてもらったり、人事部に相談したり、親会社の倫理相談窓口に相談したり・・・。
でも残念ながら、色々な人に相談しても、パワハラ問題というのは、ほとんど解決しませんでした。
基本的に、当事者でない人にとって「パワハラは他人事」なんです。
「経理の担当者」がいかに弱い立場であるかを、この会社の経験で痛感しました。
もし私が、経理の担当者レベルから、経理の責任者レベルまで役職を上げていれば、パワハラは解決できたでしょう。
そかし、その前に私は体調を崩して休職・・・そのまま退職しました。
残念といえば残念な結果でしたが、その経験があってこそ、私はフリーランスで働く道を見つけることができました。
これを読んで下さった方が、どんな形であれ、パワハラを乗り切っていかれることを切に願っています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
おじ部からの一言
当事者でない人にとって「パワハラは他人事」・・・このフレーズが僕の心に刺さりました。
残念ですが、これが現実なんですね・・・。
パワハラの解決が難しい状況であれば、体調を崩す前に転職の道を選択すべきだと思いました。
貴重な体験談をありがとうございました。
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