ベテラン経理マンが経理職に向いている人の特徴『9つ』を徹底解説

お悩み
・経理職に興味があるけどどんな人が向いているのか知りたい

・現在経理をしているけど、仕事が好きになれないのは向いていないから?

・未経験で経理に配属されたけど、業務をこなせるのか不安でたまらない

経理職を長くやりたいと思う方にとって、自分が経理職に向いているのかどうかは非常に気になりますよね?

また、自分に向いていない職種を続けていても、苦痛なだけで今後のスキルアップを望めない可能性もあります。

この記事では、経理に向いている人の特徴を「9つ」ご紹介します。

この記事は、「公益財団法人の経理」「不動産会社の経理」を経験し、現在はIT系上場企業の経理部にお勤めの「ベテラン経理マン」に執筆協力して頂いています。

ベテラン経理マンが、選び抜いた「経理に向いている人の特徴」に関する意見は非常に価値ある情報です。

この記事は、これから経理職にキャリアチェンジを目指す方だけでなく、現在すでに経理職に就いている方で、今後も経理職を続けるかどうか迷っている方にとっても参考になる内容です。

ぜひ最後までお読みください。

\ 転職で失敗したくない方へ /

数字に苦手意識がない

数字に対して苦手意識がない方は、経理職に向いています。

経理職にとって業務上で最も必要なスキルは資料から情報(数字)を正確に読み取ることができること」です。

そもそも数字に対して苦手意識を持っている方が、経理職で毎日の業務を続けていくと、苦手意識をさらに増長させるので数字アレルギーを発症するかもしれません…。

私が今までに経験した経理職の業務では、数字を見ない日はほとんどありませんでした。

毎日必ずと言っていいほど、会計ソフトを起動させて日中の作業を行いますし、Excelを使用して会計ソフトに入力するための計算を行なっています。

例えば、経理職の毎日の業務では以下の内容が発生します。

経理職の日常業務の例
・支払請求書の処理

・銀行口座への入金情報の処理

・会社に所属している方の立替精算etc…

一例として、「支払請求書の処理」で数字がどのように関わるのかご紹介します。

経理部に毎月会社の各部署から集まってくる支払いの請求書ですが、取引している会社ごとに様式やフォーマットが固定されていることほぼありません。

ですので、様々な様式で記載をしている請求書を見ることになります。

請求書では以下の「情報(数字)」を読み解かなければなりません。

請求書から読み取る「数字」
・相手の会社から自分の会社に納品された「モノやサービスの内容」「単価」「個数」など

・消費税(税率や内税・外税の区分)

・相手の会社に払う「合計金額」

経理では、請求書から必要な情報(数字)を正確に読み取る事が非常に重要です。

なぜなら、この数字を読み違えると相手に支払う金額を間違えたり、財務諸表に正しい数字が反映されないといったトラブルを招くからです。

その結果、取引先や株主、メインバンクから信用を失ってしまう可能性があります。

経理職を行う方にとって、数字を扱うことは会社の生命線を維持する事と同義なので、特に数字に対して意識を強く持っていることが重要になります。

ですので、数字に対して苦手意識がない方は経理職に向いていると言えます。

 

勉強が苦ではない

勉強が苦にならない方は経理職に向いています。

経理職の方が普段行う業務は、他部署の方から見るとルーティン作業が多い印象がありますが、日頃から会計基準の勉強をして知識をアップデートすることも重要な仕事です。

なぜなら、企業の成長と変化に伴い、経理部が行う会計処理もその都度変化を求められるからです。

企業は成長し続けなければいずれ衰退していきます…

ですので、時代を読みながら新規の事業を立ち上げ育てておく必要があります。

近年、トヨタ自動車は「自動車の販売」から、移動に関わるあらゆるサービスを提供する「モビリティカンパニー」への転換を行なっており、この動きに伴い新規事業を立ち上げ、企業は徐々に変化していきます。

(出典:トヨタ自動車株式会社ホームページ

そこで、経理部は企業のバックオフィスとして、新サービスの会計管理を行う必要が出てきます。

新しい事業や新サービスを企業が始めるにあたって、経理部は新しい事業の詳細な内容について聞き取りを行わなければなりません。

具体的には、次のような情報を新事業部から収集します。

収集する新事業の情報
・販売先とはどのようなサービスの提供を契約しているのか(法的論点は法務部管轄)

・どのようにして販売先にサービスや物を提供するのか

・販売先に提供したことが証明できる証拠は何になるのか(納品書・検収書など)

・そのサービスにはどのような費用が原価として発生するのか

上記の情報をもとに、従来から行っている処理方法に当てはめて問題はないのか、もしくは全く違う方法で処理をしなければいけないのか検討することになります。

日頃から勉強をして学んでおく事で社内で早く動き出すことができるので、勉強が苦にならない事は経理職にとって非常に重要になります。

 

コミュニケーションが苦にならない

コミュニケーションが苦にならない方は経理職に向いています。

経理職って「寡黙」「黙々」「淡々」と業務をこなしてて、コミュニケーションが苦手な人が多いイメージが強くないですか?

また、他部署の方から見ると、経理部はとにかく話しかけ辛くて、立替経費の精算や請求書の事で何か怒られるのではないかなどの「ネガティブな印象があるかもしれません。

実は、経理職はコミュニケーションが非常に重要な職種です。

なぜなら、経理職は会社のほぼ全事業部の方と関わることになるので、コミュニケーションが得意な方はとても重宝されます。

具体的には、次のようなときにコミュニケーション能力が求められます。

コミュニケーション能力が求められる場面
・月次決算で売上のデータを事業部から収集

・事業部から新しいサービスや事業の相談

・事業部から提出された立替経費の精算書類を確認するとき

・事業部から提出された請求書の内容を確認するとき

・銀行との折衝(企業規模により財務部になる場合もあり)

・監査法人とのコミュニケーション(会計監査での監査法人対応など)

・税理士とのコミュニケーション(特に確定申告の時期など)

・取引先に対する債権の督促(役割分担は会社規模により異なる)

・子会社や関係会社の方との連携(グループ企業を多く持つ大企業など)

上記は一例ですが、他にも多くの関係者とコミュニケーションを取ることがあります。

このように、経理職は意外と社内外の方と接する機会が多いので、コミュケーションを円滑に取るのが得意な方は経理に向いていると言えます。

 

自分で調べて問題を解決できる

経理職において「自分で調べて問題を解決することができる」ことは、とても重要な能力になります。

特に経理職は、

課題が発生するとき
・新しいサービスが始まる時

・会計基準や税制が変更された時

などに、解決しなければいけない課題が発生します。

内容によっては顧問税理士に相談する場合もあります。

その際、顧問税理士に課題の内容を正しく伝えるためにも、経理部が自身で課題の内容を調べて理解しておくことが必要になります。

また、課題の内容や解決方法について、会計知識が乏しい経営陣に対して、どのような事が会社に影響するのかを分かりやすく伝える必要があります。

社内での影響については、外部のコンサルティングなどが深く関わっている場合を除いては、経理部が説明しなければなりません。

具体的に、近年の経理職に関する課題には以下のものがあります。

経理に関する近年の課題
・日本の会計基準から国際会計基準への変更

・収益認識基準の変更(対象企業は2021年4月から強制適用)

この2つの「基準変更」は、企業に非常に大きな影響があると言われており、各企業の経理部は社内対応に追われているのが状況です。

今回の様な大きな課題が発生した時に、経理部は企業の内情を最も理解している存在なので、企業内の業務が具体的にどの様に変更されていくのかを調査します。

そして調査後には、社内で問題なく業務が行える体制を構築しなければなりません。

このように、経理職の方にとって「自分で調べて課題を解決する能力」はとても重要な能力の一つになります。

 

慎重な性格

「慎重な性格」の方は経理職に向いています。

なぜなら、経理部で作成される決算情報は多くの利害関係者に影響を与える非常に重要な情報なので、間違えないように慎重に作成する必要があるからです。

「決算開示」という言葉をニュースなどで目にする機会が多いかと思いますが、企業はある一定期間の業績を世間に発表しなければいけません。

上場企業は投資家保護などの観点から、決算情報を金融庁に報告することになっています。

提出する書類には主に「決算短信」「四半期報告書」「有価証券報告書」などがあり、金融庁の以下のページで閲覧する事ができます。

(出典:金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム

経理職にとって、この開示業務の経験は転職でとても有利になります。

開示業務は多くの企業から重宝される経験になりますが、その責任も非常に重いです。

開示した書類の内容によっては、「投資家からの評価が下がる」「株価が下がる」、また投資系の某掲示板では「凄まじい悪評を書かれる」こともあります。

経理部は、開示書類を作成するために決算作業を行いますが、決算作業を行う月は通常の月とは比べ物にならないくらい忙しくなります。

その為、休日出勤をしている経理職の方も大勢いて、特に年度決算ではビジネスホテルの予約が埋まることもあります…。

非常に多くの業務を処理するので、書類を作成するために処理した業務が本当に正しかったのかが心配になることがあります。

経理部は対外的にも非常に責任の重い業務を定期的に担っている事もあり、日頃から「慎重」に業務に取り組むことが求められます。

 

口が堅い人

経理職を行う上で重要な性格の一つに「口が堅い」ことが挙げられます。

経理部には、お金に関する情報が全て集約されてくるので、会社でどのような費用が発生していて、どれくらいの売上があるのか全て分かります。

また、働いている従業員の情報も知ることができるので、誰がどの程度の給料をもらっているか、従業員が何の経費を使っているかなども知ることができます。

経理部で扱う情報は、外部に漏洩してはならない重要情報が多く含まれいることから、社内での取扱も非常に慎重になります。

具体的に、どの様な情報が企業にとって重要で、かつ漏洩してはならないものなのかご紹介します。

「社内」に漏洩してはならない情報

従業員の給与情報

従業員の中には給与に対して満足している社員もいれば不満を持っている社員もいるので、給与情報が社内に流出してしまうと、不平不満が生まれやすく社内不和の原因になります。

具体的に、以下のようなことが起こる可能性があります。

給与情報の流出による弊害
・上司の給料を知って、上司の仕事内容を自己判断で評価をして会社に対して不満を持つ。

・自分と同じような年収かと思っていた同僚が、自分より年収が高いことを知り、業務へのモチベーションが下がる。

・後輩と給料がほぼ変わらないのを知って、会社から評価してもらってないと感じてモチベーションが下がる。

このような不満を社内の多くの従業員が持ってしまったら、社内全体のモチベーションが低下して業績が下がってしまったり、退職する社員が増えることなどが予想され、数多くの問題が発生します。

 

財務諸表の内容

財務諸表を見ることで会社の現在の状況がバレてしまいます。

企業の業績が悪化し、財務諸表の情報が社内に流出してしまうと、従業員が会社に不安を感じて人員が流出してしまう可能性があります。

経理が大量に退職するケースはこのパターンが多いです。

 

「社外」に漏洩してはならない情報

売上高や保有資産の情報

上場企業には、決算日から45日以内に決算書を発表しなさいという「開示の45日ルール」があります。

しかし、報道機関に公表する前に決算に関する情報が漏れた場合に「インサイダー取引」で疑われることがあります。

インサイダー取引は犯罪行為であり、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰則(又は懲役と罰則の両方)が科せられるので、細心の注意を払う必要があります。

取引先の情報

販売先や購買先などの取引先の情報が、ライバル企業にれてしまった場合に、抱えている顧客を取られてしまう可能性があります。

 

このように、経理部は様々な重要情報を扱っているので、情報を漏らさない為にも「口が堅い人」は経理に向いていると言えます。

 

論理的思考力が高い人

「論理的な思考」ができる人は経理に向いています。

どの職種でも論理的思考能力は重宝されますが、主に難解な内容を扱っている経理職では特に重要な能力になります。

企業の会計処理は「会計基準」という難解なルールに基づいて行われており、経理職の方は会計基準を理解しておく必要があります。

「簿記」の勉強をされた方であれば何となく想像はつくと思いますが、会計基準をわかりやすく噛み砕いた内容が「簿記の教科書」に記載されています。

日本での会計基準は、「公益財団法人財務会計基準機構 企業会計基準委員会」の公式ホームページに公表されていますので参考にしてください。

日本での会計基準の内容ですが、文字ばかりで読むのも大変な非常に難しい内容になっています。

経理職の方はこの内容を理解して業務を進めることも重要ですが、社内の会計知識がない関係者(特に経営陣)に対して説明を行われければなりません。

そこで、このような難解な会計基準を的確に理解できる論理的思考能力と、知識がない人でも理解してもらえるような論理的な説明が必要になります。

説明する側もされる側も、きちんと順序立てて内容が構成されている事で、理解が深まりやすくなります。

 

職人気質

「職人気質」の方は経理に向いていると思います。

経理職に就かれている方には、学校を卒業後から変わる事なく経理職を続けてられている「経理一筋」の方が多くいらっしゃいます。

また、経理と関係性が深い「会計系」の国家資格には「公認会計士」「税理士」があり、その高度な専門的知識を利用して一生涯働き続けている方も多いです。

一つの職種を何十年も長く継続しているという点では、他にも伝統工芸家やエンジニアなどがあり、キャリアを長く続けていく中で「技術」や「知識」を磨き続けていくという、「職人的な気質」が非常に似ています。

また、業務を黙々と淡々と行なっていくところも共通しています。

私はエンジニアとしての経験があって、現在は財務・経理系の職種についておりますが、今までに様々な企業で経理職の方と業務を行なってきました。

経理部の方は、一貫してエンジニアと似たような「職人気質」の面が見受けられました。

また、会計には必ず「毎月」「四半期」「年度」ごとに締め切りがあり、経理部はその期限までに何としてでも会計処理を終わらせることを念頭に置いています。

締め切りに間に合わないと分かれば、休日出勤してでも必ず締め切りまでに業務を完了させます。

締め切りまでに必ず業務をやり遂げる姿勢こそが、経営陣からはもちろん社内の多くの方から経理部が信頼を得ている理由です。

業務に対して妥協せずに取り組むことができる、「職人的な気質」がある方は経理に向いていると言えます。

 

感情の起伏が少ない

「感情の起伏が少ない」方は経理に向いています。

経理部は企業の根底を支える「縁の下の力持ち」の役割を担っており、何か事件が起きた時でも感情を変える事なく淡々と業務を行い、周囲に安心感を与えることが求められます。

大企業などでは業務が整備されているので、「東芝」のような大事件が起きない限りバタバタとすることはほぼありません。

しかし、ベンチャー企業では常に企業が成長を続けているので、「新規サービス」「新規事業」「企業買収」などのイレギュラーなイベントが発生します。

したがって、経理部は通常業務に加えて、新しい事象に対しての処理を行わなければなりません。

このような状況になると、仕事量が非常に増えますし、年度決算のスケジュールと重なった場合には業務がオーバーフローを起こして「ぶっ倒れる人」が出ることがあります。

過酷な状況下でも、高いパフォーマンスを維持しつつ業務をこなすためには、どんな時でも「感情の変化を一定にキープ」することが必要となります。

気持ちが焦っている時に業務を行うと、ミスが多発してやり直しを余儀なくされることも多いです…。

経理部は、企業が開示する数字の作成に大きな責任を負っており、ミスは絶対に許されません。

常に正確な業務を行うためには、感情の起伏が少なく淡々と業務を行える性格がとても重要になります。

 

まとめ

経理に向いている人の特徴
①数字に苦手意識がない
②勉強が苦ではない
③コミュニケーションが苦にならない
④自分で調べて問題を解決できる
⑤慎重な性格
⑥口が堅い人
⑦論理的思考力が高い人
⑧職人気質
⑨感情の起伏が少ない

当てはまる項目が少ないからと言って「自分は経理職に向いていないのかも…」と落ち込む必要はありません。

これらの項目を、最初から全て兼ねそろえている人なんかいませんから!

ほとんどの方が、実務経験を積み重ねていく中で少しずつ業務をマスターしています。

一番大切なことは「経理職をやってみたい」という、強い気持ちや好奇心です。

今の気持ちに正直になって行動されることが、あなたにとっての「ベスト」だと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。

 

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