・リクルートエージェントで会計系の転職をした人のリアルな感想を聞きたい
日本における会計系資格の最高峰「公認会計士」。公認会計士は全国に約4万人しかいないと言われおり、日本の国家資格の中でもトップ3に入る超難関資格です。
この記事では、32歳の公認会計士さんが転職エージェント最大手の「リクルートエージェント」を利用して、コンサルティング会社から大手監査法人に転職された体験談をご紹介します。
転職前と転職後の変化は以下のとおりです。
転職前 | 転職後 | |
業種 | コンサルティング会社 | 大手監査法人 |
上場or非上場 | 非上場 | 非上場 |
企業の年商 | 20億円 | 1,000億円 |
従業員数 | 120名 | 4,000名 |
年収 | 800万円 | 800万円 |
月間残業時間 | 40時間 | 20時間 |
この記事を読めば、リクルートエージェントの「良かった点」「悪かった点」や、公認会計士が転職を成功させるための「ポイント」が分かります。
転職の決め手は、入社したいという強い「熱意」だったとのことです。
ぜひ最後までお読みいただければと思います。
転職活動時のプロフィール
年齢 | 34歳(転職活動時は32歳) |
性別 | 男 |
保有資格 | ・公認会計士
・日商簿記1級 ・BATIC 929点(Controller Level) ・IFRS検定合格 ・ITパスポート |
結婚 | 有 |
略歴 | 公認会計士試験合格後、大手日系コンサルティング会社に入所。同社では内部統制導入支援、M&Aアドバイザリー、事業再生プロジェクト業務等に、約5年間従事。
その後、外資系中小コンサルティング会社へ転職し、内部監査及び内部統制導入支援、経理規程類・業務マニュアル整備等のプロジェクト業務に、約4年間従事。 その後、現職の某大手監査法人に入所し、USGAAP決算業務支援、新収益会計基準導入支援、連結パッケージ作成支援業務等の、財務会計アドバイザリー業務に約2年従事し、現在に至る。 |
転職しようと思った理由
当時の転職前の職場は、主に内部統制関連文書の作成など、「会計数値を扱わない業務」を担当していました。
もちろん文書の作成も大事なスキルですし、誇りをもって取り組んでいました。
しかし会計士として、この先もずっと会計数値に触れる機会がないまま過ごして良いものか、とても悩みました。
多くの会計士が、会計のスキルを強みとする中で、このままでは自分だけが「会計が弱点の公認会計士」になるのではないかと、日に日に焦るようになりました…。
このことをきっかけに、改めて今自分がやってみたい仕事は何かを考えました。
まずはっきりしているのは、会計数値をメインに扱う仕事に関わりたいということです。
これまで私が経験した、M&Aアドバイザリー、事業再生業務では、制度会計ではなく「管理会計」の業務が中心でした。
しかし今後は、制度会計すなわち「財務会計」の仕事に携わり、IFRS(国際財務報告基準)導入支援や、事業会社での経理決算支援など、幅広い会計業務を経験したいと思うようになりました。
リクルートエージェントを選んだ理由

(出典:リクルートエージェント)
私は今回の転職が「2回目」となりますが、最初の転職は知人の紹介だったので、転職エージェントを利用するのは、今回が初めてでした。
転職活動にあたり、複数の転職エージェントに履歴書を登録し、様々なキャリアアドバイザーの方と面談させて頂きました。
しかし、最終的に利用したいと考えたのは、「リクルートエージェント」のみでした。
まず結果的に利用しなかった外資系の転職エージェントの方々は、数多くの求人を紹介されるものの、こちら側の希望にはさほど興味は無いのかなという印象でした。
極端な表現をすると、「とにかくガンガン案件を紹介して、どこでもいいから内定にこぎつければ良い」といったゴリ押し感が強かったです。
財務会計の仕事を希望しているのに、生産管理部のポジションを勧められたときは、絶句してしまいました(笑)
ただリクルートエージェントの方との面談のときは、私の話に真摯に耳を傾けて頂き、転職に向けて私の希望を踏まえた的確なアドバイスをして下さいました。
そのため、私はリクルートエージェントに全てを任せたいと思いました。
面接場所は、まさかの「フードコート」
転職活動のやり方は、複数の転職エージェントを同時に利用し、また複数の企業の選考を同時に進める方法が一般的だと思います。
しかしその方法では、1社1社万全に面接対策するのが困難となり、どの選考も結果が出ず中途半端になるのではないかと思いました。
このような私の考えも、リクルートエージェントの方は理解され、最も私にお勧めしたい大手監査法人の財務会計アドバイザリー部門の1案件に絞って下さいました。
そして、書類選考に応募した後、程なく転職候補先から、1次面接の日程調整の連絡がきました。
1社のみ大事に選考を進めたいというのは私の希望です。
ですが逆に言えばもし見送りとなった場合は、また一からやり直しです。
1次面接の日が近づくにつれて、緊張と不安が募りました。後悔はしたくなかったので、想定される様々な質問・回答を考えるなどの面接対策は入念に行いました。
そして1次面接の会場である、都心の某オフィスビルに到着しました。
集合場所で人事担当者とお会いしたあと、面接官の待つ会議室に行くと思いきや、意外な場所へ案内されました。
着いた場所は、テナント専用のフードコートでした。
周りには普通に食事をしている人が数名おり、何ともまったりした雰囲気だったので、私は戸惑いました。
実はこのオフィスビルは最近新設されたばかりで、転職候補先もまだこちらへの引越し真っ最中でした。
その関係で、まだオフィス内の会議室を使える状態には無く、面接会場もこのフードコートしか無かったのです。
人事担当者が面接官を呼びに行ったため、少しの間一人になりました。
このような大衆の面前で就職面接をするとは思いませんでしたが、逆にリラックスすることができました。
面接官である2名のパートナーのかたがたは、共に気さくで、とても話しやすい雰囲気で迎えてくださいました。
面接時に聞かれた内容は、これまでの経歴や、今後やってみたい仕事など、オーソドックスなものが中心で、特に捻ったような難しい質問はされませんでした。
事前準備では、かなり変化球的な想定質問と回答を用意していましたが、出る幕なしでした(笑)
終始リラックスした雰囲気で1次面接が終了し、数日後2次面接の案内の連絡が届きました。
早くもこの面接が最終面接でした。
人事担当と1対1での面接と事前に聞いていたのですが、当日の面接官は比較的若手の担当者のかたでした。
2次面接は最終的な入社の意思確認が趣旨で、15分程度で終わりました。
意外とあっさり終わったというのが実感でした。
2次面接終了後、無事に大手監査法人の財務会計アドバイザリー部門の内定が決まりました。
約2ヵ月で内定決定
最初の書類選考から、内定が決まるまでの期間は、約2カ月でした。
1次面接から2次面接まで期間が、転職前の職場での私の業務が立て込んでいた関係で、3週間ほど空いてしまいましたが、それでも2カ月で内定を頂けたので、非常に早く決まったと思います。
前職の退職に難航…
決してスムーズとは言えませんでした。
内定が決まった後、前職の上司に退職の意思を報告したところ、とても困惑していました。
当時携わっていたプロジェクト業務の後任がなかなか決まらず、私の退職月が決まるまで約1か月半もかかりました。
当初の目的は無事達成
当初の目的は十分達成できたと思います。
現在、当初より転職先で携わりたかった、IFRS導入支援業務や、事業会社のクライアントにおける期末決算業務を担当し、会計処理の検討や、スプレッドシートを使った数値の集計業務など「会計数値を扱う業務」に深く関与できています。
紹介された求人に大満足
ご紹介いただいた求人は非常に満足できるものでした。
私は、リクルートエージェントから紹介頂いた大手監査法人のホームページを事前に確認しました。
財務会計アドバイザリーサービスのページを見たところ、私が今後携わりたいと思っている会計業務が数多く紹介されていました。
リクルートエージェントのキャリアアドバイザーのかたは、適切に私の希望を踏まえご提案くださったのだと思いました。
キャリアドバイザーが親身になって聞いてくれた
私の担当キャリアアドバイザーは、私の話にとても耳を傾けてくださいました。
また「求職者の方々から色々な分野の仕事の話を聞くのが楽しい」と話されていたことが印象的でした。
私がこれまで担当してきた業務の話をすると、とても興味深そうに聞き、また積極的に質問をされ理解を深めようとしているのが伝わりました。
会計士業界の知識や転職市場についてとても詳しかったです。
電話が多かったのが少し残念…
悪かった点は特にありませんが、強いて1つ挙げると、選考期間中、かなりの頻度で私に電話を掛けてこられたことです。
私が前職の会議中だろうとお構いなしに、頻繁に電話のコール音が鳴り続けました(笑)。
的確な履歴書作成アドバイス
履歴書・職務経歴書の作成にあたり、今回の転職活動ではじめて「英文」のものを作成しました。
恥ずかしながら、私は英語が非常に苦手です。
自己流で英文の履歴書を作りましたが、書いてみると、全体的にだらだら長い文章での仕上がりとなってしまいました…。
リクルートエージェントの方からは、「複数の内容を書きたいときは、箇条書きで記載して、一つ一つを短文化すると読み手に伝わりやすい」と的確なアドバイスを頂きました。
この点の意識が欠けていたので、非常に修正しやすかったです。
成功要因は「熱意をぶつけたこと」
今回の転職活動が成功した要因は、ありきたりではありますが、2つあると思います。
1社に絞る
1つ目は、選考を進めるうえで、本当に行きたい会社を1社に絞り転職活動を進めた点です。
通常転職活動は、同時に複数企業の選考を進めるのが効率的かもしれません。
しかし私は、このやり方で転職活動をうまく進める自信がありませんでした。
この方法はリスクヘッジであるどころか、各社の面接対策が中途半端となり、どの会社からも内定が出ず、転職活動が長期化する恐れがあると思いました。
入念な事前準備
2つ目は、絞った1社に関する事前準備を入念に行った点にあると思います。
先述の通り、1次面接の事前準備では、様々な想定質問を考えました。
結果的に1次面接時は想定質問のほとんどは聞かれなかったものの、このような入念な準備が、面接本番時にリラックスできたことにつながりました。
まずは本気で行きたいと思う会社を1社見つけ、面接当日は「面接官に本気で御社に転職したい」という強い気持ちをぶつけることが、転職活動における成功の鍵だと考えています。
最後までお読み頂きありがとうございます。
各転職エージェントを利用した詳細な体験記事も多数ありますので、ぜひ参考にしてください。
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