
大企業を中心に「45歳定年制」を導入する企業が後を絶ちません。
終身雇用の崩壊で、社会人になってから「税理士」に転身したいと考え始めた方も多いと思います。
この記事では「社会人から勉強を始めて税理士になるまでに何年かかるのか」解説します。
結論からいうと、社会人から税理士を目指すと「約4~10年」かかります。
まず、どうすれば税理士になれるのかをザックリ説明します。
税理士になるには「税理士試験」に合格する必要があります。
税理士試験には全部で「11科目」あり、その中から「5科目」に合格すれば税理士になることができます。
【税法科目】 ③所得税法、④法人税法(この2科目のどちらか1科目必須)
⑤相続税法、⑥消費税法、⑦酒税法、⑧国税徴収法、⑨住民税、⑩事業税、⑪固定資産税
税理士試験は1年に1回(8月)実施され、上位約15%が合格する「相対試験」となっています。
ちなみに、一度合格した科目に有効期限はないので、5科目合格するまでに何年かかっても大丈夫です。
難関資格でありながら「科目合格制」が採用されていることから、働きながら税理士を目指す社会人も多いです。
なお、税理士試験には「受験資格」が必要となります。
受験資格についてはコチラの記事「理系卒が税理士試験の受験資格を簡単に取得する方法」を参考にして下さい。
社会人が税理士になる代表的な方法としては次の「2つ」があります。
方法②:大学院での税法2科目免除を利用する方法
それぞれの方法で税理士資格取得までに何年かかるのか解説します。
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方法①:5科目合格(官報合格)を目指す場合
税理士試験において5科目合格(官報合格)は「王道」とされている方法です。
この方法は、毎年行われる税理士試験で地道に科目合格を積み重ねて5科目合格を目指す方法です。
この方法で5科目に合格すると「官報」に合格者の名前が掲載されることから「官報合格」と呼ばれています。
では、1科目に合格するにはどれくらいの期間が必要なのか?
人によって1年目で合格できる場合もあれば3年以上かかる場合もありますが、一般的には2年で1科目に合格できたら順調な方だと思ってください。
1年で1科目に合格できたら「凄いね!」って感じです。
勉強時間がしっかり確保できる場合は「6年」
勉強時間がしっかり確保できる方なら、約6年で5科目合格(官報合格)することも可能です。
・実家暮らしで家事にかかる時間がほぼ無い
・仕事が定時で終わる
・有給休暇を毎年フルに消化できる
・土日祝日が完全に休み
このような環境であれば、働きながらでも「月100時間」くらいの勉強時間を確保できます。
具体的にはこんなスケジュールになります。
・平日は2~3時間勉強
・土日祝日は5~6時間勉強
勉強時間を月100時間確保できるなら、1年に2科目を並行して勉強することが十分可能です。
仮に、2年で2科目のペースで合格を重ねたとすると「6年」で税理士になることができます。

勉強時間の確保が難しい場合は「10年」
・残業が多い
・有給休暇を使いずらい
・土日祝日の全てが休みではない
このような環境ですと、1年に1科目を勉強するのが精一杯になると予想されます。
仮に、2年で1科目のペースで合格を重ねると「10年」で税理士になることができます。

官報合格を目指す場合のメリット・デメリット
【メリット】
・学費(予備校や通信講座等)が安い
・仕事を継続しながらチャレンジできる
【デメリット】
・資格取得までに長期間かかる可能性がある
方法②:大学院での税法2科目免除を利用する場合

3科目は毎年の税理士試験で合格を重ね、残りの2科目は税法に関する大学院を卒業することで免除してもらう方法です。
税理士試験は1科目の難易度があまりにも高いため、この方法で税理士になる人が増えています。
僕の周りでも、大学院での科目免除を利用して税理士になった人はとても多いです。
勉強時間がしっかり確保できる場合は「4年」
・実家暮らしで家事にかかる時間がほぼ無い
・仕事が定時で終わる
・有給休暇を毎年フルに消化できる
・土日祝日が完全に休み
上記のような環境で、しっかり勉強時間が確保できそうな方は、1年で2科目を同時に勉強することも十分可能です。
仮に、2年で2科目のペースで合格を重ねたとすると「4年」で税理士になることができます。

勉強時間の確保が難しい場合は「6年」
・残業が多い
・有給休暇を使いずらい
・土日祝日の全てが休みではない
このような環境ですと、1年に1科目を勉強するのが精一杯になると予想されます。
仮に、2年で1科目のペースで合格を重ねると「6年」で税理士になることができます。

大学院を利用する場合のメリット・デメリット
【メリット】
・資格取得までの期間が短くなる可能性が高い
【デメリット】
・大学院に通うので、その間仕事ができなくなる可能性がある
働きながら最短合格をめざすには?

子育てや住宅ローンの返済があるなど、働きながら税理士を目指したい方も多いと思います。
働きながら最短で税理士資格取得を目指すなら、コストはかかりますが「税理士試験に理解のある会計事務所で働きながら、大学院に通いつつ自力で3科目合格を目指す」のがベストです。
一般企業の場合、税理士資格を目指すことを全面的に表に出すことは難しいです。
なぜなら、「こいつ税理士に転職するつもりだな」と思われると、一気に職場の雰囲気が悪くなり働きずらくなるからです。
一方、会計事務所や税理士法人であれば、税理士を目指す従業員も多数います。
なので、周りの目を気にすることなく受験勉強に打ち込むことができます。
とはいえ、会計事務所の中には税理士試験に理解の無い事務所も多く存在します。
・勉強よりとにかく仕事をさせたいから
・税理士として独立して顧客を奪われたくないから
会計事務所に転職する際には、従業員が税理士試験の勉強をすることに対してどう考えているのかをしっかり事前リサーチして下さい。
税理士試験に理解のある職場で働くことはとても重要です。
会計事務所に特化した転職エージェント を利用すると、税理士試験に理解のある会計事務所を探すことが容易になります。
転職エージェントは、会計事務所と頻繁にコンタクトを取っているので、公開されている求人情報には書いていない内部情報を持っています。
まとめ
・勉強時間が十分ある「6年」
・勉強時間があまりない「10年」
②大学院での科目免除を利用する場合
・勉強時間が十分ある「4年」
・勉強時間があまりない「6年」
税理士資格を取得できれば「高年収」「自由な働き方」「社会的信用」など得られるものも多いです。
しかし、取得までに10年以上、もしかすると取得すらできない場合もあります。
僕の周りにも、資格取得までに10年以上かかった人は沢山いますし、途中で諦めた人は数え切れません…。
地道に5科目合格(官報合格)を目指すのか…?
大学院での科目免除を利用するのか…?
どちらが正解なのかは、その人が置かれた環境や目指すものによって違います。
社会人が税理士を目指す場合には、ご自身の環境を考慮しつつ検討することをオススメします。
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