【税理士試験】簿記論の難易度・合格率推移は?

【税理士試験】簿記論の難易度・合格率推移
はらすけ
はらすけ
はじめまして、はらすけです。僕は限りなくブラックに近い中小企業を30歳で退職後に勉強を始め、約6年かけて税理士になりました。(詳細な自己紹介はコチラ

令和5年実施の税理士試験から簿記論と財務諸表論については受験資格が撤廃され「誰でも受験できる」ようになりました!

簿記論は税理士試験の受験科目の一つにすぎませんが、簿記論に合格しただけでも就職・転職では高く評価されます。

  • 税理士資格に興味がある!
  • 簿記を活かして大企業に就職・転職したい!

このようにお考えの方は、簿記論を取って損はないと思います。

僕は5回目の受験で簿記論に合格しました。

「4回落ちて1回合格」ということから、簿記論の難しい点や攻略法について熟知しています。

今回の記事では簿記論の難易度や合格率推移、合格するためのポイントについて詳しく解説しました。

簿記論に興味がある方は、この記事を参考にして頂ければと思います。

簿記論の難易度「★★★☆☆」

簿記論は全11科目のなかでも比較的簡単な部類に位置します!

税理士試験の登竜門である簿記論の難易度は「3」です。

税理士試験の受験科目(全11科目)の中でも比較的簡単な方です。

会計科目である「簿記論」「財務諸表論」は税理士試験の必須科目となっています。

税理士試験の全11科目の概要は次の通りです。

1 簿記論 必須科目 会計科目(受験資格なし)
2 財務諸表論
3 法人税法 どちらか1科目必須 税法科目(受験資格が必要

受験資格の取得方法⇒理系卒が税理士試験の受験資格を簡単に取得する方法

4 所得税法
5 相続税法 選択科目
6 消費税法
7 酒税法
8 国税徴収法
9 住民税
10 事業税
11 固定資産税

 

また、税理士試験では最初に受験する科目が「会計科目」となる人がほとんどです。

簿記論は理論問題がなく、100%計算問題です。

暗記に時間がかかる理論問題がないということもあり、日商簿記3級か2級に合格してその勢いで税理士試験の簿記論にチャレンジする人が多いです。

直近の2021年第71回試験結果をみると、簿記論の受験者数が全11科目の中で最多です。

受験者数 合格者数 2021年の合格率
簿記論          11,166            1,841             16.5
財務諸表論            9,198            2,196             23.9
所得税法            1,350              170             12.6
法人税法            3,532              453             12.8
相続税法            2,548              325             12.8
消費税法            6,086              726             11.9
酒税法              470                59             12.6
国税徴収法            1,702              234             13.7
住民税              378                48             12.7
事業税              302                38             12.6
固定資産税              941              130             13.8
合計          37,673            6,220             16.5

(出典:国税庁HP

第71回試験
簿記論受験者数 11,166人(全体の29.6%

全11科目受験者数(延人員) 37,673人

令和5年から簿記論は誰でも受験できるようになったので、今後は受験者数が増加する可能性が高いです。

簿記論は理論問題がないこともあり、真面目に勉強すれば多くの受験生が比較的早く合格できるレベルに到達することができます。

しかし、簿記論は本番での「番狂わせ」を時々目にする事があります。

実際、予備校での模擬試験ではいつも上位の人が不合格となったのを何回も見たことがあります。

逆に言えば、勉強の完成度がそれほど高くなくても合格できる可能性がある科目でもあります。

簿記の知識も重要ですが、合格するための「解法テクニック」をしっかり身につけることが合格へのカギとなります。

「簡単な問題を確実に回答する」という基本中の基本を必ずマスターしましょう。

簿記論の合格ボーダーライン

税理士試験は「満点の60%で合格」と国税庁のHPには書かれています。

税理士試験は満点の60%パーセントで合格

国税庁HPより

しかし、実際は得点の上位者が合格する「競争試験」となっています。

また、税理士試験の「模範解答」「配点」は一切公開されません。

ですので、各予備校が模範解答を作成し独自の配点で「ボーダーライン」「合格確実点」を公開しています。

受験生はこの情報をもとに、合格発表までの過ごし方を決めることになります。

直近のボーダーラインと合格確実点は以下の通りです。

大原 TAC
合格確実点 ボーダーライン 合格確実点 ボーダーライン
2022年 第72回 72 64 64 55
2021年 第71回 54 46 56 46
2020年 第70回 70 63 69 60
2019年 第69回 69 62 72 60

あくまでも参考情報になりますので、ボーダーラインを超えていても不合格になる時もありますし、その逆もあります。

試験日から合格発表日まで約4か月間という長い期間を「合格なのか不合格なのか…」とモヤモヤしながら過ごすのが税理士試験です。

税理士試験国内屈指の難関国家試験でありながら、「模範解答」「配点」を一切公開しないという謎が多い試験でもあります。

税理士試験のおかしな点については、こちらの記事「税理士試験のおかしいところ10選【それでも税理士を目指す理由とは】」で詳しく解説しています。

簿記論の合格率と推移

簿記論の合格率と推移

直近の2021年第71回試験をみると全11科目の平均合格率 16.5%」「簿記論の合格率 16.5%」。

この結果を見ると簿記論の合格率は平均的のように感じます。

しかし、2021年は財務諸表論の合格率が23.9%と異常に高く、11科目全体の合格率を大きく引き上げています。

簿記論と財務諸表論以外の「税法9科目」の平均合格率を計算すると「12.8%」でした。

2021年合格率
簿記論             16.5 会計2科目の平均合格率20.2%
財務諸表論             23.9
所得税法             12.6 税法9科目の平均合格率12.8%
法人税法             12.8
相続税法             12.8
消費税法             11.9
酒税法             12.6
国税徴収法             13.7
住民税             12.7
事業税             12.6
固定資産税             13.8
合計             16.5

したがって、簿記論の合格率は税法科目よりも3.7%も合格率が高く、受かりやすい科目と言えます。

合格率で考えると簿記論の受かりやすさを実感することができませんが、これを「人数」で考えると印象が変わります。

簿記論の受験者数は11,166人で合格者1,841人不合格者9,325人

仮に、簿記論の合格率が税法科目の平均合格率12.8%だとすると、合格者数が412人減って1,429人になります。

人数で考えると簿記論の合格しやすさを実感することができますね。

また、簿記論は税理士試験の「初心者」が多いため、税理士試験の圧倒的な勉強量に十分対処できなかったり、途中で勉強が息切れし、結果として「記念受験」となる受験生も多いです。

そのため、簿記論は他の税法科目の受験生のレベルに比べて比較的低いといわれています

「記念受験」の人数を考慮して、税理士試験の予備校では模擬試験で上位30%以内に入っていれば合格できるレベルとしています。

簿記論の独学合格は可能なのか?

コストを抑えるために「独学」を検討されている方も多いでしょう。

独学とは市販のテキストと問題集のみで勉強する方法です。

結論から言うと、独学は不可能ではありませんがおすすめしません。

理由は税理士試験が「競争試験」だからです。

当然ですが競争試験なので、ライバルより多く得点を取らなければなりません。

税理士試験に精通した予備校・通信講座が作成したカリキュラムで学んだ方が、ライバルに勝てる可能性が高いです。

また、税理士試験の学習内容は非常に難しいので、市販されているテキストや問題集の数も少ないのが現状です。

したがって、ライバルのほとんどが予備校か通信講座を利用しているのが現実です。

僕はたくさんの税理士の知り合いがいますが、市販のテキストと問題集だけで税理士になった人に出会ったことがありません。

何年かかっても構わないというのであれば別ですが、少しでも早く簿記論に合格したいなら予備校や通信講座の利用は必須だと思ってください。

税理士試験の独学をおすすめしない理由をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「税理士試験の独学が「無理ゲー」だと思う5つの理由」を参考にして下さい。

税理士試験の独学が「無理ゲー」だと思う5つの理由

税理士試験の独学が「無理ゲー」だと思う5つの理由

2022年2月27日

簿記何級があれば簿記論に挑戦できる?

よくある質問に「簿記論を勉強するには簿記何級があればいいの?」というものがあります。

結論から言うと「日商簿記3級レベルの知識があれば良い」が答えです。

大手予備校の「TAC」「大原」、通信講座の「スタディング」では簿記論の講座を受講するには日商簿記3級レベルの知識があることを推奨しています。

日商簿記3級を勉強方法としては、市販のテキスト・問題集を利用するのが一般的です。

勉強期間の目安は2~3か月といった方が多いです。

Twitterや僕の周りでよく見かけるのは「スッキリわかる 日商簿記3級」というテキストです。

Amazonの「簿記検定の売れ筋ランキング」でも1位となっている人気テキストです。

また、少しでも早く簿記論の勉強を始めたいという方は、予備校や通信講座が行っている「簿記の入門講座」がおすすめです。

市販のテキストや問題集での独学と違って、プロの講師から動画講義で学べるので理解が早く大幅に時短できます。

例えば、スタディング税理士講座では、簿財の学習に入る前に日商簿記3級レベルの知識を身につけるための「簿記入門コース」を設けています。

簿財2科目パーフェクトパックを購入すれば89,800円で「簿記入門コース」と「簿財2科目」を受講できます。

スタディング税理士講座【簿記入門コースとは】

(スタディング税理士講座公式HPより)

 

スタディングの無料体験はこちら ⇒ スタディング税理士講座【公式】

 

簿記論の勉強時間は?

簿記論の合格に必要な勉強時間は「約1,000時間/年」必要です。

簿記論の合格に必要な勉強時間の目安を各予備校・通信講座が公開しています。

クレアール スタディング 資格の学校TAC 資格の大原 LEC東京リーガルマインド
簿記論 360時間 450時間 450時間 400時間 450時間
財務諸表論 360時間 450時間 450時間 400時間 450時間
法人税法 480時間 600時間 600時間 600時間 600時間
相続税法 370時間 450時間 450時間 520時間 450時間
消費税法 260時間 300時間 300時間 300時間 300時間
国税徴収法 150時間 150時間 170時間

各予備校・通信講座はこのような勉強時間を目安としていますが、実際は違います

ツイッターには次のようなツイートがありました。

簿記論の勉強時間

Twitterより引用

勉強時間に差が出る理由は、簿記論を勉強し始めたときの「簿記知識」と関係があります。

簿記知識ゼロの人と日商簿記1級を持っていいる人とでは、スタート時点での実力に雲泥の差があります。

日商簿記1級と簿記論の難易度はほぼ同じと言われています。

日商簿記1級に合格されている方なら、いきなり本番の簿記論の試験を受けてもある程度点数を取れます。

一方、簿記知識ゼロの場合だとおそらく1点も取れません。

この両者が同じ勉強時間で簿記論の合格レベルに達するとは考えにくいです。

日商簿記1級レベルの知識があれば、年間600時間の勉強でもで十分合格を狙えます。

しかし、簿記の知識がほぼゼロという場合は、最低でも1年間で1,000時間以上の勉強が必要でしょう。

簿記論に合格するポイント【重要】

では、簿記論に合格するポイントについて僕の経験を交えて解説します。

簿記論の試験で一番大事なポイントは「簡単な問題を確実に合わせる」ということです。

「なんだ簡単じゃん!」と言われるかもしれませんが、できない人はとことんできません。

簿記論の試験時間は「2時間」で行われますが、出題される問題量がとんでもなく多く2時間で完答することが不可能な場合が多いです。

なので、簡単な問題と難しい問題を素早く見極め、簡単な問題を確実に合わせると効率的に得点を稼げます。

僕の印象ですが合格者と不合格者(50点台)の知識レベルはほぼ同じ。

本番でいかに問題の取捨選択ができたかによって、合否に差が出ていると思っています。

僕は問題の取捨選択が上手くできなかったために、4回も不合格になったと反省ています。

それを証拠に、自身5回目の簿記論の試験は「1分」も勉強しないで合格しました。

1年間全く勉強していないので、難しい論点や新しい論点はもちろん解けません。

基礎的な知識のみでの勝負なので、必然的に簡単に解ける問題を取捨選択できました。

予備校が公開した模範解答で採点してみると「39点」しか取れていませんでしたが、それでも合格です。

僕が受験した年の簿記論の合格率は9.9%でしたので、受験者の90%以上が39点未満だったことになります。

「解くべき問題を見極め確実に合わせる」

簡単そうに思えますが、本番当日の緊張状態の中で実践するのは難しいです。

本試験の直前期(5~7月)になると、受験生は本番並みの難易度の答練をたくさん解きます。

答練を解いた後、得点の多い少ないに気を取られがちですが、最も注視すべきは「簡単な問題をケアレスミスしていないか」という点です。

今は「へ~、そうなの」て感じかもしれません。

しかし、これが合格に最も重要なポイントですので、頭の片隅に置いておいて下さい。

簿記論は僕のように何回も落ち悪戦苦闘した人も多いです。

簿記論が難しいと言われる理由について詳しく知りたい方は、こちらの記事「簿記論に4回も落ちた!簿記論が難しいと言われる理由と攻略法を解説」も参考にして下さい。

簿記論に4回も落ちた!簿記論が難しいと言われる理由と攻略法を解説

2022年8月2日

簿記論を学習する予備校・通信講座の選び方

簿記論を学習する予備校・通信講座は「あなたの環境に合ったもの」を選ぶことをおすすめします。

「高い教材=合格できる」ではありません。

注目して頂きたいのはポイントは次の2点です。

  1. 確保できる勉強時間
  2. 学費に使えるお金

この2点に着目して予備校・通信講座を図にすると下のようになります。

簿記論を学習する予備校・通信講座の選び方

「予備校」とは、実際に学校に通って授業を受ける通学スタイルの学校を指します。

図の中では、TACと大原が予備校と呼ばれています(どちらも通信講座もあります)。

確保できる勉強時間

先述したように簿記論に合格するためには年間約1,000時間の勉強が必要です。

勉強時間が多いほど合格する可能性が高くなるのは間違いないです。

勉強時間を確保しやすい「学生」「無職」なら、出題範囲を網羅的に学習するスタイルの「TAC」「大原」が向いています。

TACと大原は出題範囲を網羅的に学習するので、インプットに多くの時間がかかりますが、完璧にマスターできれば合格する可能性がかなり高いです。

勉強時間が取りづらい「残業多めの会社員」「育児中のママ」がTACや大原を選ぶと、カリキュラムの消化不良がおこりアウトプット学習が不足します。

その結果、合格する可能性も低くなってしまいます。

勉強時間が取りづらい方でも、頻出する基礎的な論点に絞って勉強すれば合格は十分可能です。

スタディング」と「クレアール」は勉強時間が少ない人向けにカリキュラムを開発してます。

スタディングとクレアールは頻出する論点に学習範囲を絞り、インプット時間を極力少なくしています。

そして、合格に最も重要である「解くべき問題を見極め確実に合わせる」という練習を徹底的に行います。

勉強時間の確保が難しい…という方はスタディングかクレアールが向いています。

⇒【スタディング体験談】仕事と子育てをしながら簿財2科目合格!

 

学費に使えるお金

簿記論と財務諸表論はどちらも「会計科目」なので、学習内容がかぶる部分も多いです。

そのため、簿記論と財務諸表論の2科目同時に勉強する受験生が多いです。

予備校・通信講座の「簿記論と財務諸表論2科目セット」の金額は以下の通りです。

スタディング 資格の学校TAC 資格の大原 クレアール
簿財2科目 74,800円 390,000円 383,000円 230,000円
法人税法 61,600円 260,000円 251,000円 215,000円
相続税法 61,600円 155,000円 155,000円 180,000円
消費税法 61,600円 155,000円 155,000円 130,000円
合計 259,600円 960,000円 944,000円 755,000円

先述したように、TACと大原は学習範囲を網羅的に学習するスタイルなので、講義動画やテキスト・問題集も多いです。

また、TACと大原は通学講座も行っているので全国に学校があります。

そのため、全国の学校にかかる固定費が多いことから、TACと大原の受講料は割高となります。

スタディングとクレアールは通学講座のみに特化しているので「学校」が存在しません。

学校にかかる固定費がゼロなので受講料が安くなります。

また、税理士試験に不合格になると翌年も予備校・通信講座を受講するのが一般的です。

毎年のように法律が改正され、出題範囲も変わるからです。

したがって、合格するまで予備校や通信講座の受講料を払うことになります。

僕がツイッターで実施したアンケートによると、簿記論に1~2回目で合格した方が63.6%、3回以上かかった方が36.4%いらっしゃいました。

こちらのアンケートでも、1~2回目で合格した方が62.8%いる一方で、3回以上受験して合格された方が37.2%いらっしゃいます。

税理士試験は「2年で1科目合格できれば順調」というイメージです。

万が一不合格になった場合も考慮して、予備校・通信講座を選択しましょう。

僕がおすすめする予備校・通信講座について詳しく知りたい方は、こちらの記事「【社会人】税理士試験の予備校・通信講座おすすめ「4選」」を参考にして下さい。

【税理士試験】 社会人におすすめの 予備校・通信講座 4選

【社会人】税理士試験の予備校・通信講座おすすめ「4選」

2022年8月13日

スタディングでは受からないのか?スタディング税理士講座をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「スタディング税理士講座では受からない?評判・口コミを現役税理士が徹底解説」を参考にして下さい。

スタディング税理士講座では受からない?評判・口コミを現役税理士が徹底解説

2022年8月11日

まとめ

簿記論と財務諸表論は税理士試験の登竜門

税理士になるには、この2科目をいかに早く突破できるかがカギとなります。

また、予備校・通信講座は「無料体験」が可能なので、自分に合うものをじっくり選んで頂きたいと思います。

そして「これっ!」と決めたら、他の教材に浮気せず徹底的に一つの教材をやり込むのが合格のコツです。

まずは、色々な予備校や通信講座を体験することからスタートしましょう!

最後までお読み頂きありがとうございます。

 

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