【税理士試験】所得税法の難易度・合格率推移は?

所得税法の難易度「★★★★★」  

所得税法の難易度はMAXの「5」です。

所得税法は税法科目のなかでも学習するボリュームが非常に多い科目です。

問題構成は理論問題が50%計算問題が50%となっています。

「所得税」は個人の儲けに対して国が課す税金です。

1億2千万人全ての国民に直接関係する税金なので、当然実務での利用頻度が高い税法といえます。

しかし、学習のボリュームが非常に多いため、社会人が仕事をしながら受験する場合、少しでも合格する確率を上げようとするなら、1年で所得税法1科目に的を絞らざるを得ないと思います。

法人税法と同様、仮に所得税法1科目に的を絞ったとしても、合格レベルに達するにはかなりの時間と労力を必要とします。

なので、働きながら受験する場合は、合格までに2~3年はかかるものと覚悟してチャレンジした方がいいと思います。

税理士になるには選択必須科目である「法人税法」「所得税法」のどちらかをクリアしなければならないのですが、「法人税法」の方が圧倒的に人気が高く、「所得税法」の受験者数は法人税法の3分の1程度です。

これを聞くと強者が法人税法を受験し、所得税法はなんだか手薄で合格しやすい気がしますが、受験者の中には意外にも法人税法を突破した強者が意外に多いので、受験生のレベルが高く合格は容易ではありません。

直近の「2022年第72回税理士試験」の受験者数と合格率は以下の通りです。

受験者数 合格者数 2022年合格率(%) 受験者数占有率(%)
簿記論 12,888 2,965 23.0 31.9
財務諸表論 10,118 1,502 14.8 25.0
所得税法 1,294 182 14.1 3.2
法人税法 3,454 425 12.3 8.5
相続税法 2,370 336 14.2 5.9
消費税法 6,488 740 11.4 16.0
酒税法 454 60 13.2 1.1
国税徴収法 1,709 235 13.8 4.2
住民税 476 82 17.2 1.2
事業税 269 38 14.1 0.7
固定資産税 910 167 18.4 2.3
合計
(延人員)
40,430 6,732 16.7 100

(出典:国税庁HP

また、直近2年の税理士試験全体の受験者数は増加傾向ですが、所得税法の受験者数は減少傾向にあります。

直近5年の受験者数(所得税法、法人税法、税理士試験全体)は次の通りです。

所得税法 法人税法 全体
2022年(令和4年)第72回 1,294 3,454 40,430
2021年(令和3年)第71回 1,350 3,532 37,673
2020年(令和2年)第70回 1,437 3,658 36,845
2019年(令和元年)第69回 1,659 4,260 41,158
2018年(平成30年)第68回 1,704 4,681 42,063

所得税法は選択必須科目なのにあんまり人気がないのです。

所得税法の合格率推移

所得税法の直近11年の合格率(緑色)は以下の通りです。

法人税法・所得税法合格率推移

 

所得税法の合格率は、全11科目の合格率と比較すると「低め」の合格率で推移しています。

最後に

法人税法と同様に所得税法は実務での利用頻度も高く、できれば受験したいとお考えの方も多いと思います。

しかし、所得税法はとてつもない量の条文を暗記しなくてはなりません。

税法科目特有の「条文の丸暗記」がどうも受け入れられない方は、大学院で税法2科目免除を検討してみてもいいかもしれません。

税理士試験の会計・税法科目免除が可能な大学院一覧

 

 

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