
上場企業が募った希望退職者数は、2020年・2021年と2年連続で15,000人を超えました。
そんな社会環境に不安を感じ
・会社に頼らず自分の力で稼げるようになりた
・定年がなく一生涯働ける職業に就きたい
・子育てや親の介護などもあり自由な働き方が出来る職に就きたい
という理由から「税理士」に興味を持っている方もいらっしゃると思います。
この記事では、
・社会人が税理士を目指す年齢の限界
・クリアすべき4つの問題
・会計事務所へ転職できる年齢の限界
についてまとめてみました。
実際に、社会人から税理士になった僕にしか書けない内容です。
ぜひ最後までお読みください。
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税理士を目指す年齢の限界は?
結論からいうと、税理士を目指し始める年齢に限界はありません。
雑誌「会計人コース」の公式ツイッターよると、過去には71歳で合格された方がいらっしゃるようです。




さらに、税理士試験の合格者には、40歳を超えている方も多いです。
税理士試験結果表(学歴別・年齢別)-300x226.png)
出典:国税庁HP
この記事を読んでいるあなたは、きっと将来実現したい「夢」を思い描いているはずです。
・定年なく仕事を続けたい ・子供たちやペットを身近に感じながら仕事をしたい ・会社に頼らず自分の力で稼げるようになりたい ・難関資格を取得して周囲から一目置かれたい
これは、日本資本主義の父として知られる渋沢栄一の言葉です。2024年から新しい一万円札の顔となる人です。
夢なき者は理想なし。
理想なき者は信念なし。
信念なき者は計画なし。
計画なき者は実行なし。
実行なき者は成果なし。
成果なき者は幸福なし。
ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。
つまり、
「幸福になりたかったら夢を持ちましょう」ということです。
なので、「夢」を持った時点で幸福へ一歩近づいたということ。
あとは、税理士になって夢を実現したいという「強い気持ち」があるかどうかだと思います。
年齢に限界はありません!
渋沢栄一について詳しく知りたい方は「論語と算盤(そろばん)」をおススメします。
税理士試験に年齢制限はありません
税理士試験を受験する際、年齢制限は一切ありません。

出典:国税庁HP
また、税理士試験は「部分合格制」ですので、一度合格した各科目についても一生涯有効です。
有効期限を気にすることなく、仕事と併行しながら合格を重ねて行けるのが税理士試験の魅力です。
税理士試験の前にクリアすべき問題を把握する
夢を実現するにはまず「計画」を立てる必要があります。
では、計画を立てる上で考慮しなければならない問題点を挙げてみたいと思います。
①:勉強時間がとれるか?
税理士試験はとにかくメチャクチャ勉強しないと合格できません。
予備校などが公表している1年間の勉強時間の目安はこんな感じです。
科目 | 勉強時間 | 出題内容 | |
必須科目 | 簿記論 | 450時間 | 計算100%/理論0% |
財務諸表論 | 450時間 | 計算50%/理論50% | |
選択必須科目 | 所得税法 | 600時間 | 計算50%/理論50% |
法人税法 | 600時間 | 計算50%/理論50% | |
選択科目 | 相続税法 | 450時間 | 計算50%/理論50% |
消費税法 | 300時間 | 計算50%/理論50% | |
酒税法 | 150時間 | 計算40%/理論60% | |
国税徴収法 | 150時間 | 計算0%/理論100% | |
住民税 | 200時間 | 計算50%/理論50% | |
事業税 | 200時間 | 計算30%/理論70% | |
固定資産税 | 250時間 | 計算50%/理論50% |
でも、実際はこの勉強時間では到底合格ラインには届きません。
税理士試験に合格した方は、少なくとも上記時間の「1.5~2倍」は1年間で勉強しています。
僕は勉強時間を確保できた方ですが、働きながらですと年間で約1,000時間が限界でした。
具体的にどんな生活になるかというと、こんな感じです。
しかし、仕事が忙しかったり、子育てに追われたり…といった事情で勉強時間がなかなか確保しずらい方もいらっしゃると思います。
そのような場合には、、、
・少ない時間でも効率的に学習できる方法を考える
といった対策をとる必要があります。
勉強時間が無い人におすすめなのが、「日常のちょっとしたスキマ時間を利用する」という方法です。
具体的には、スマホを触っている時間こそがスキマ時間です。
一日にスマホをどれくらいの時間触っていますか?
SNS、ゲーム、ユーチューブ、ネットサーフィン…
かなりの時間をスマホに充ててませんか?
ちなみに、ニールセン・デジタルが2020年3月24日に発表した統計によると、一日のスマホ利用時間は平均で3時間46分だそうです。
1年間だと1,374時間もスマホを触っていることになります。

出典:マイナビニュース
そう考えると、1日に1~2時間くらいの勉強時間は簡単に確保できます。
本気になれば、スマホ時間だけで税理士試験に合格できるだけの勉強量を確保することが可能なんです。
近年、スマホを利用して資格の勉強ができる「スタディング」という教材を利用する方が急増しています。

「自分にはどんな教材が向いているのかな…」と気になった方は下の記事も参考にして下さい。
僕は大手予備校も通信講座も両方利用した経験があるので、参考になる内容だと思います。
②:周囲からの反対にどう対処するか?
これは結構難問です。
なぜなら「相手」があることだからです。
税理士試験は超過酷な試験で、1科目すら合格できずに撤退する人も多いです。
さらに、必ず「転職」が必要となりますので、収入面でも今後どうなるのか不透明。
言い方は悪いですが、税理士試験はある意味「ギャンブル」です。
もし、あなたが「一家の大黒柱」となっている場合、家族を説得するにはかなりの時間と労力を必要とするでしょう。
僕は30歳で会社を辞めて、本格的に税理士試験に突入しましたが、両親からの反対はかなりありました。
理解を得るまでに2年くらいかかりました…。
独身者でさえ反対されるのですから、妻子持ちならなおさらです。
税理士試験には膨大な勉強時間を必要とするため、周りの家族に迷惑をかけてしまうことも多いです。
税理士試験は家族の協力なしでは達成できない人生の「大プロジェクト」です。
しっかりご家族と話し合って、理解を得てから試験に臨むことをおすすめします。
③:費用の問題を解決できるか?
税理士試験は、11科目のうち5科目に合格しなけばなりません。
毎年一科目ずつ合格を重ねて、3~5年で税理士になることが出来れば大成功。
しかし、短期間で合格できるのはごく一部の人のみで、平均すると取得までに約10年かかると言われています。
詳しくは「社会人が税理士になるまで何年かかるのか?」の記事を参考にしてください。
実際に資格取得までにかかる予備校や通信講座の受講料は約35~212万円です。
また、1年でも早く税理士資格を取得するためには、大学院を卒業することで得られる「税法2科目免除」という選択肢も視野にいれておく必要があります。
現在では、大学院を利用する方法がむしろ一般的になりつつあります。
このような背景から、社会人が働きながら大学院に通えるように、「平日夜間」や「土日」に開講している大学院も増えました。
年齢が高くなるほど早く資格取得する必要があるので、大学院での2科目免除を利用するメリットは大きくなります。
大学院は2年間通うことになるのですが、2年間で約135~314万円の学費がかかります。
税理士資格取得までにかかる費用については「税理士資格を取得するまでに費用はいくらかかる?」の記事に詳しく解説してます。
その他、在学中の生活費、転職して収入が減ることなどを想定して、あらかじめ資金計画を立てておきましょう。
十分な貯蓄や、不労所得があれば問題ありません。
しかし、資金に困るようなら、配偶者・両親・奨学金などから資金を調達することも検討してみましょう。
僕は場合は働きながら通える大学院が近くになっかたので、会社を退職して大学院に通っていました。
なので、大学院の学費や生活費を捻出するために、乗っていた自動車を売りました。
資格取得のために、今までの生活レベルを落とすことも視野に入れる必要があります。
④:早めに会計事務所に転職できるか?
税理士試験に合格後、税理士会に登録することで始めて「税理士」を名乗れるようになります。
そして、税理士業務を行なうことができます。
そのためには会計事務所(税理士事務所も同じ意味です)、税理士法人などで2年の実務経験が必要となります。
ですので、異業種から税理士への転身を希望される場合、会計事務所や税理士法人に転職する必要があります。
「資格取得してから会計事務所へ転職してもいいのでは?」と思うかもしれません。
会計事務所への転職では資格も重要ですが、年齢も同じぐらい重要になります。
当然、年齢が若い方が採用されやすいです。
また、将来独立開業を目指すのであれば、少しでも多く実務経験を積んだ方が開業後に有利です。
税理士になると覚悟を決めたら、早めに会計事務所か税理士法人へ転職することをおすすめします。
次では、会計事務所への転職活動について解説します。
会計事務所への転職は何歳が限界か?
会計事務所への転職で重視されるのは、「年齢」「資格」「実務経験」です。
この3つの要素を踏まえ、会計事務所への転職年齢の限界をまとめると以下のようになります。
会計事務所経験なし | 会計事務所経験あり | |
資格なし | 転職はかなり難しい | 所長税理士より「年下」なら何歳でも転職できる可能性あり |
簿記3級・2級 | 35歳くらいまで | |
簿記1級・税理士科目合格 | 40歳くらいまで | |
税理士資格 | 45歳くらいまで |
会計事務所は会計と税務に関する「専門職」です。
ですので、まったくの未経験で会計事務所へするのは難しいのが現状です。
ただし、一度実務経験を積んでしまえば次の転職はかなり楽になります。
①年齢は若い方が有利
年齢は転職する際、どの業種でも重要になります。
もちろん若い方が有利になります。
人材を採用する会計事務所にとって、年齢が若いと有利な理由な点が多いです。
・会計事務所はパソコンの利用頻度が高く、若い方が仕事を覚えるのが早い。
・新しいことに挑戦する気力と体力があり、今後の成長が見込める。
・知識不足でミスがあった場合、若いとクライアントも大目に見てくれやすい。
・「年上の部下」「年下の上司」といった関係になりにくく、組織内の人間関係でトラブルが起こりにくい。
まず、税理士資格を取ってから転職したい、という考えの方も多いかと思います。
しかし、現実は若いうちに会計事務所に転職してから税理士試験に合格する、というパターンが圧倒的多数です。
②難易度が高い資格ほど有利
会計事務所は「会計・税務」という専門的な知識を売っています。
ですので、会計事務所に転職するなら「会計・税務」に関する知識は絶対に必要です。
知識レベルを知る目安となるのが「資格」です。
僕の知り合いの例でいうと、「簿記2級」「科目合格1~2科目」で会計事務所に転職しているケースが多いです。
僕の転職体験談 ⇒ 【体験談】33歳未経験で会計事務所へ転職!
もし資格を持っていなくても、アピールできる会計・税務の知識があれば採用の際に評価される可能性があります。
・高校や大学で簿記・会計・税務の授業を選択していた
・税理士試験に59点で惜しくも落ちた
会計事務所は個人経営ですので、明確な採用基準があるわけではありません。
ダメもとでも履歴書に書いておけば、採用される可能性は十分あります。
③実務経験が最も重要
会計事務所への転職で最も重視されるのが「実務経験」です。
会計事務所の仕事は帳簿作成、税務申告、税務調査、年末調整、法定調書など会計・税務関連の仕事だけでも覚えることが膨大です。
さらに、クライアントからは会計や税務に関係のない質問も寄せられます。
これらのことを、未経験の職員に一から教えるのは会計事務所側にとっても負担が大きいです。
会計事務所が未経験でも、「企業の経理」「銀行員」の経歴がある方は、会計事務所で必要となる知識の一部を持っているので採用されやすい傾向にあります。
失敗しない転職方法
未経験で会計事務所に転職する場合、カギとなるのは「年齢」と「資格」です。
僕は33歳未経験(科目合格あり)で会計事務所へ転職しましたが、若いことがいかに転職で有利であるかを実感しました。
また、将来独立するまでにできるだけ多くの実務経験を積んでおくためにも、できれば若いうちに会計事務所に転職しておく方が良いです。
会計事務所は個人経営で、従業員10人以下の少人数の所が多いです。
さらに、ホームページが存在しない事務所も普通にあります。
ですので、求人募集広告のみでは「所長税理士の性格・人柄」「税理士資格に理解があるか」「男女の比率」「年齢構成」「受験勉強中の職員はいるのか」「残業は多いか」といった重要な内部情報を得ることはほぼ不可能です。
内部情報が不足した状態で入社することほど怖いことはありません。

(こんなイメージ)
個人的におすすめなのが「転職エージェント」の利用です。
転職エージェントを利用すれば、会計事務所の内部情報を効率的に得ることが可能です。
なぜなら、転職エージェントは定期的に会計事務所に訪問しおり、求人票に書ききれない情報を豊富に持っているからです。
転職エージェントは「非公開求人の紹介」「履歴書・職務経歴書の書き方」「面接の対策」「年収の交渉」などの転職に関するサービスをすべて無料で行ってくれます。
特に「年収」の交渉は自分から言い出しにくいことなので、交渉を代行してくれるのは非常に大きなメリットです。
会計事務所・税理士・科目合格者・簿記検定保有者などに強い転職エージェントは次のとおりです。
①リクルートエージェント 全員が利用すべき

リクルートエージェントは「株式会社リクルート」が運営する転職エージェント。
転職サービスの中でも圧倒的な知名度とブランド力を誇り、その安心感は抜群です。
会計・税務系だけでなく、ああらゆる業種・職種を扱う「総合型」の転職エージェントで、業界でもNo.1の求人数を誇ります。コロナ禍で求人数が減少しつつりますが、約20万件を超える求人数を保有しているのは魅力的です。
全国16か所に支社があり、都市部以外の方にも幅広く転職をサポートしています。
未経験者を含め、転職を希望する「全ての方」がまずは登録すべき転職エージェント。
②MS-Japan 特化型ではNo.1の実績
25年にわたり、経理・財務・総務・一般事務などの管理部門と士業に特化してきた転職エージェント。
「管理部門・士業特化型エージェントNo.1」の評価を受けており、経理などの管理部門、会計事務所、士業では絶大なサポート力を誇っています。
会計事務所にも強く、業界に精通したキャリアドバイザーが在籍しているのが魅力です。
全国の求人に対応していますが、支社がある「東京」「横浜」「名古屋」「大阪」の求人数が多いのが特徴です。
会計事務所が未経験でも「日商簿記1級」または「税理士科目合格」があるなら利用したい転職エージェントです。
③ジャスネットキャリア ミスマッチを避けたい人向け
1996年に「公認会計士」が設立した会計・経理・財務・税務に特化した転職エージェント。
24年以上の歴史があり、会計業界に精通したキャリアドバイザーがサポートしてくれます。
ジャスネットキャリアの強みは転職後のミスマッチが少ない点です。
その理由は、役員・責任者への直接取材を通じて、会社の意思決定者とのパイプが太いことから、「意思決定者に対して直接提案ができる関係性」を構築できているからです。
全国の求人に対応していますが、支社がある「東京」「名古屋」「大阪」の求人数が多いのが特徴です。
会計事務所は未経験でも、「日商簿記1級」または「税理士科目合格」があるなら利用したい転職エージェント。
会計事務所が未経験の方に最もおすすめしたいのは「リクルートエージェント」です。

リクルートエージェントはどんな職種でも幅広く扱く「総合型」の転職エージェントなので、未経験可の求人も豊富です。
その点、会計事務所に特化した転職エージェントは、どちらかというと「即戦力」を売りにしているので、未経験者可の求人は少ない印象です。
やはり、国内最大手の転職エージェントとだけあって求人数は圧倒的です。
2022年2月13日現在、公開求人16万件以上、非公開求人は24万件以上あります。

御覧の通り、登録しないと出会えない「非公開求人」の方が圧倒的に多いので、ますは無料登録してみましょう。
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僕が以前勤めていた税理士事務所では、毎年税理士試験の直前に1週間ほど「試験休暇」を取らせてくれました。
また、僕の友人で税理士法人に勤めながら大学院に通い、2科目免除を受けて税理士になったというケースもありました。
このように、税理士試験に協力的な「ホワイト会計事務所」に入れるかどうかがとても重要になってきます。
会社を辞める前にクレジットカードを作っておく

僕もそうでしたが、会社を辞めて税理士試験に専念したいという方もいると思います。
その場合、会社を辞める前にクレジットカードは必ず作っておいた方がいいです。
会社を辞めると「年収」「勤続年数」といった職歴がリセットされてしまいます。
当然、収入が減るとクレジットカードは作りにくくなります。
クレジットカードがあれば、もしものとき買い物ができたり、キャッシングでお金を借りることができます。
クレジットカードは、いわば「精神安定剤」です。
使う使わないは別として、会社を辞める前に必ず作っておくことをおすすめします。
ちなみに、僕も使っている「イオンカード」なら年会費は永久に無料です。
イオンカードは購入額の0.5%がポイント還元されます。
還元されたポイントはWAONにチャージして利用可能です。
仮にクレジットカードで100,000円購入したら、0.5%の500円をWAONにチャージできます。
WAONはイオングループのスーパー以外にも「ローソン」「ファミリーマート」「ウエルシア」「マクドナルド」「ビックカメラ」など、使えるお店も多いので便利です。
イオンカードは即日発効も可能なので、お急ぎの方でも間に合いますよ。
まとめ
・勉強時間をどう確保するかを検討しておく
・周囲からの反対にどう対処するか検討しておく
・費用の問題を検討しておく
・早めに転職できるか検討しておく
・未経験・資格なしでの転職は厳しい
・転職には内部情報に詳しい「転職エージェント」を利用する
・受験に専念するならクレジットカードは作っておく
あなたが「夢」を実現したいという気持ちが強ければ、年齢に関係なく税理士を目指すことは可能だと思います。
あとは具体的に計画を立て、行動するだけです!
一番若い今が最大のチャンスであることは間違いありません。
最後までお読みいただきありがとうございます。
基礎知識がゼロの方でも、この記事を読めば「受験資格」「税理士の仕事内容」「リアルな年収」「取得までにかかる費用・年数」などあなたが知りたい事の全てが分かります。
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